恐れ入谷の鬼子母神?・・・
西日本 とくに大阪ではまだまだ連日35度アップの華麗人(加齢人)泣かせの毎日が続き これでは週休二日が例え三日になったところで ちょっとやそっとでは疲れが取れないだろうという酷な日々に見舞われ続けております
折も折 もっとも水銀柱が伸長する午後の二時頃に 御年87歳になられるお方が独りで自らトラックのハンドルを握り わが社の倉庫に鋼材を搬入に見えられました
クーラーの利かない倉庫には 特にこの節は滅多と降りない私ですが さすがに往復3時間をかけてやって来られたという そのスーパーマンぶりには 敬意を表するというか あらためてその尊顔を拝すべきとでもいう気分になったのでしょうか 荷降し作業中のその御仁の元へ もう既に私の方が額に汗を滲ませながら歩み寄りました
「ご無沙汰でしたが 相変わらずのお元気ぶりで 何よりです 特にこの今年のしぶとい暑さの中でも・・・」と私
「この盆休みは 神奈川まで行ってきました 次男が署長に栄転した祝いをかねてね」と 私の今年のお休みは?という 慣用句めいた挨拶の機先を制するかのように その御仁は問われるまでもなく 語られました
「よくまあ この暑さのなかを! しかしどうしたらそんな健康体でいつまでも居られるのでしょうかね まったく羨ましい・・・」と私
「神奈川から帰って 今度は豊岡へ行きました これは仕事でね さすがに少し骨が折れました・・・」
「考えられないタフさです ほんと信じられないですよ 私なんか余程若輩なのに 茹だりっぱなしですよ」
「そんなことはないです 皆さんに云われるほど私は元気なつもりもありませんよ ただ・・・・」
「ただ・・・疲れだしたら そんな時はいつも私は思い出すことにしているんですよ 戦争に行っていた時のことを・・・」
「そりゃ 大抵のことは辛抱・・・」そこで遠くを見つめる眼差しになって 少し頬の筋肉を締められたようでした
ヘェーでもウーでもエーッでもありませんでした
一瞬にして 私は脳髄までシーンと澄み切った氷塊が滑り落ちて行く感慨に打たれたのであります・・・